- created
- 2026-08-11
- updated
- 2026-08-11
自作アウトライナーの開発を進めている話
ここ最近自作アウトライナー track の開発を進めています。
既に本番導入が完了しており、開発を開始してから本日に至るまでの3ヶ月でノート数は600を超えました。
なぜ自作するのか
作ってみたくなったから (完)
これまで様々なノートツールを渡り歩き、見つけたオアシス (Obsidian) に安住していました。 多くの人に愛されるだけあって、洗練されながらも柔軟な使い方を提供してくれています。 実際 neovim 愛好家のようなマイノリティも救われていました。
obsidian.mdObsidianそんな隙の無いツールですが、自分のスタイルが確立されると気になることも増えてきました。 自由度の高いディレクトリ構成に対するフォルダ構築論など、運用的な制約は増えていきます。 それでいて、事実上の ID としてファイル名が要求されるようなシステム要因の制約は減らせません。
アウトライニング環境の変化
ここ数年 AI を取り巻く環境の変化は目覚ましいもので、アウトライニングのスタイルも変化しました。 自分の中では従来のキーボードで入力する形でのメモは希少なものになりつつあります。 音声での入力をトリガーとした、エージェント経由での記録が支配的なものになりつつあります。
Obsidian 界隈でもそれは同じで、圧倒的な規模のコミュニティからは汎用ツールやノウハウが日々発信されています。 ですが、それらは先程述べた制約や最大公約数的な考えに支配されていることが気になりました。
オーナーシップを持てる範囲
自己流に拡張する方法はプラグインの開発、あるいは本体への contribute くらいです。 ですが日々思考実験する中で、どちらにも限界があるという結論を出しました。 プラグインで変えられる範囲を決めるのは本体側で、そこに自分のオーナーシップはありません。 contribute は合意を通す必要があり、最大公約数から遠い変更ほど通らなくなります。
極端な例ですが Obsidian は Markdown を捨てられないでしょう。 track では Markdown を採用していますが、他に適切なファイルフォーマットが存在するなら作成しても良いと考えていますし、 合意プロセスもないのでそれを実行できます。
track の考え
AI を取り巻く環境の進化がどうなるか予想できません。
性能面の進化はある程度予測できてはいたものの、DeepSeek-v4-Flash を筆頭に低価格の AI 環境が整備されることは見えていませんでした。 Local LLM が実用的な性能を発揮できるようになる一方で、それを動作させるマシンがここまで入手困難になることを想像できた人はいなかったでしょう。
未知に備えることは難しいです。 後出しはそれが許される環境において、最も確実なアプローチです。
track では設計を捨てられることを前提に開発を進めています。 安定版がリリースされることは無いでしょう。
AI の性能がさらに上がり、過程への関心が失われたとします。 そうなれば AI に特化した中間形式で情報を格納し、必要に応じて HTML のような表現に特化した形式で出力するスタイルに移行することも考えられます。 移行を待たずとも、track では HTML の埋め込みをサポートしており、表現に特化した形式を今のアウトライニングに組み込めます。
設計を捨てられるのは、抱えるものを最小にしているからです。 全てを後出しにするのではなく、事前に導入可能な契約は積極的に導入しています。 例えば ID を機械的に発行することで、ファイル名に意味を持たせる必要がなくなります。 先に挙げたファイル名を巡る制約はここで消え、Zettelkasten を前提とした flat 構成の強制が、ファイルの作成と検索に関するシステムを軽量に保ちます。
あとがき
AI でコーディングが安くなったとはいっても、面倒は面倒なのでブログ用途の常用しない機能は最小限の実装しかできていません。 当面は HTML のホスティング用途に利用されることになるでしょう。
track という名前も agent に任せて決めたのですが、指が覚えてしまったので今更変更できず... 開幕早々、先を見据えることの難しさを思い知らされています。
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